演出面とかメッセージレイヤの数だとか、ツールによってはできること、できないことが分かれています。プラグインで解決したり、画像ファイルをいじって無理矢理な演出をするのも手です。
ツールによってはメッセージレイヤが1枚しか使えません。NscripterやLiveMakerがそうです。その他、音楽ファイル、画像ファイル、動画ファイルのどんな形式に対応しているか、よく把握しておく必要があります。今どきは有名ツールもMIDI 非対応です。
●初心者向け
とりあえずノベルゲームを作ってみたい人へ。両方共GUIなので、視覚的にゲームを作ることができます。
コミックメーカーは作り手にとって優しいですが、正直ユーザーとしては扱いにくい部類なので私は使いません。不安定だわ遅いわOSの互換性がゼロに等しい。
LiveMakerは欠点らしい欠点はほとんど見当たりません。強いて言えば、「大したことしてなくても容量がでかくなりやすい」くらい。慣れれば高度なプログラミングもできるらしいです。OSの互換性はやや不安です。
私の場合は単純にシネマが使えず、断念したからNscripterに行きました。
ティラノビルダーは、ティラノスクリプトのGUI版であり、画面を見ながら、ある程度作っていけるというもの。AirNovelのANEditに少し近いかも。スクリプトに慣れた人には使いにくい。
有償版もあります。
●中級者向け
LiveMakeri以外はどれもスクリプトを打っていくタイプです。演出面で凝りたい場合もあるかと思います。それは色んなツールのマニュアルを精読してみて、可能かどうかが大体分かると思います。
AirNovelはFLASHを用いており、吉里吉里同様HTMLに似たタグを使います。FLASHが扱えるなら使いやすいかもしれません。FLASHアニメがそのまま動くため、動的演出が得意です。
GUIっぽく説明しておりますが、作業自体はスクリプトです。画面チェックをしながらの作業は、他のエンジンとさして変わりません。
デフォルトにない機能や、ちょっと凝ったことをしようと考えるなら、ActionScriptのプラグインが必要です。
ユーザーからの入力機能はAS側で付けないとダメかも。名前変更したいんだけど……。
開発環境を整えるのが少し面倒です。またパッケージング作業も初心者は手間取ることでしょう。
Cutsystem2は割とNscripterに書式が似ていました。商業ゲームで使われていたエンジンなので、かなり高機能です。
ユーザーからの入力機能が簡単そうなら、私も使用するつもりでした。名前変更したいんだけど……。
YU-RISも商業で使われています。これは回想とかCGモードとか全部用意されていたと思います。デフォルトで高機能です。
Ren’pyは英語が理解でき、海外にも進出する予定があるのならお勧めします。貴重なクロスプラットフォームのエンジンです。
吉里吉里並みのことは大体できると思われます。機能やチュートリアル自体は申し分ありませんが、日本語の解説サイトが少ないです。本家の日本語マニュアルを頼り、自力で習得する方法しかありません。
なおpythonがほぼそのまま使えるため、かなり万能です。テンプレートがそのまま利用できるため、ノベルを作るのであれば、あまりスクリプトをいじる必要がありません。
なおミニゲームは作れても、STGやアクション性の高いものは避けた方が無難です。pythoは処理速度があまり速くないためです……。
演出も凝りたくて、一人で作る人はLight.vnやLiveMaker、Nscripterをお勧めします。作業量が少ない上に、覚えることも少なめなのに、そこそこ高機能です。
LiveMakerは初心者向けで前述しました。吉里吉里、ティラノスクリプトについては上級者向けで後述します。
Light.vnは使ったことはないのですが、コマンドに日本語が使えたり、徐々に演出関連も強化されて、良さげです。普通のノベルであれば十分な機能を備えています。
●上級者向け
ある程度プログラミングできる人はNscripterや吉里吉里をお勧めします。この二つはOSが変わっても何とか動作してくれる、素晴らしき安定感のある方々です。……最近のNスクは怪しいところではあるのだが。
Nscripterはシステムカスタマイズで、一気に難易度が上がります。Luaを使えば楽ができるそうですが、まずLuaが分からねえ。
演出面でもLuaがNスクを乗っ取って、高度なことができます。
吉里吉里は紆余曲折を経て、吉里吉里Zが生まれました。今どきのPCや技術に合わせるためだそうです。
デフォルト機能は、実はあまり高くありません。読み進めるだけならNスクでもできます。全く普通のノベルが作れるとだけ言っておきます。
プログラミング言語TJSを使って始めて、凄いことができるのです。奴を使えば、できないことはほとんどないはず。労力を惜しまなければね。
プラグインを作る段階から始めると、動作確認しなければならないため、余計に時間を取られる。プラグインは公開されているものをなるべく使った方が良い。
ティラノスクリプトは吉里吉里のシステムを参考に作られました。よって吉里吉里使いの人は比較的スムーズに移行ができます。
HTMLなので、PCとモバイル含む真のクロスプラットフォームです。
概ね多機能ですが、トランジション画像が使えないのが個人的に残念。欲しい機能がなかった場合はjavascriptを駆使することになり、魔改造の沼にもれなく入ります。HTML技術が習得できるので決してマイナスになりません。
懸念としては、モバイルのパフォーマンスが未知数というところ。古いモバイルだと動いても、動作が遅かったり不安定になるかも?
またモバイルアプリ化するには別途に環境を用意する必要があり、意外と大変です。AndroidStudioとかiPHONEならMacが必要になったり……。